2012-03-14 19:00

太陽光発電

ドイツ.首都圏 電力はエコで100%カバー

ベルリン
100%再生可能エネルギーによる電力供給の可能性
新しい研究によると、ドイツの首都圏であるベルリン・ブランデンブルグ州の電力は石炭による発電を利用せずとも、再生可能エネルギーのみによって十分カバーできる可能性があるとの結果が出た。しかしながら、輸出用にさらなる電力の生産も必要との見解もあり、政党の間で意見が対立している。

ドイツ・緑の党が研究結果を支持
Reiner-Lemoine研究所がドイツ・緑の党(ベルリン・ブランデンブルグ支部)の要請により調査した結果によると、ドイツのベルリン・ブランデンブルグ州では、遅くとも2030年までには再生可能エネルギーによる発電で州内の必要電力を100%カバーできる見通しだ。そのためには、現在運転中の石炭による火力発電を停止する必要も出てくる。

緑の党はこのことに関して迅速な火力発電からの離脱が必要と見ている。研究によると、自然エネルギーによる発電で電力を100%カバーするには、風力発電から12ギガワット弱、太陽光発電からは6ギガワットの電力供給が必要となり、また、800ギガワットの蓄電が可能な技術を投入する必要がある。

このような状況下で火力発電を引き続き運転することは経済的にみても現実的でなく、また環境問題においても被建設的だと研究所の専門家は分析している。

SDP、Linkeは研究結果に批判的
これに対し、同州に同じく支部を置くSPD(ドイツ社会民主党)やLinke(ドイツ・左翼党)、またFDP(ドイツ・自由民主党)は難色を示している。

SPD党首のラルフ・ホルツシューアー氏によると、ブランデンブルグ州は火力発電によって電力を他国へ輸出する立場を保持になければならないとしている。
これはドイツとヨーロッパの義務であり、ドイツの各州は自力で電力を十分に生産しなければならず、ここで火力発電の運転を中止してしまうと電気量は不足する恐れがあり、そういう点ではこの研究結果は無責任であるとした。

また、Linkeのトーマス・ドムレス氏も、まずは理論的には2030年までに再生可能エネルギーによって電力供給を100%カバーすることは可能とした。しかしながら、ドイツとヨーロッパの間にはエネルギー経済に密接に関係する問題があり、電力をベルリン・ブランデンブルグ州で自給自足するのは同州を国際的な立場においていわゆる「鎖国化」してしまう可能性もあり、まだ難しいとしている。

外部リンク

Reiner-Lemoine Institut
http://www.reiner-lemoine-institut.de

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