• TOP
  • >
  • エコ
  • >
  • 産総研、非可食バイオマスで洗剤を量産する新技術を確立
2013-09-04 18:00

エコ

産総研、非可食バイオマスで洗剤を量産する新技術を確立

バイオマス
非可食油を界面活性剤に
独立行政法人産業技術総合研究所は8月29日、酵母と非可食バイオマス(非可食油)を使った天然由来の界面活性剤(バイオサーファクタント)の量産技術を確立したと発表した。

今回発表された新技術では、酵母を使った発酵プロセスによって、熱帯・亜熱帯に生育するマフアの種子から搾られる非可食の植物油から「バイオサーファクタント」と呼ばれる、天然由来の高機能な界面活性剤を安価かつ大量に供給する。

バイオサーファクタントは低濃度でも優れた洗浄性能を発揮しながら、高い生分解性を持ち、環境に優しい洗浄剤やシャンプーなどのトイレタリー製品への展開が期待できる。

(画像はニュースリリースより)

環境にも優しく
地球温暖化などの問題が顕在化し、低炭素社会への関心が高まる中、石油依存しないバイオマスのような再生可能資源への原材料転換が注目されている。

中でも食糧と競合しない非可食バイオマスは、安定供給が可能で価格変動も少ないことから、現在バイオ燃料としての利用が進んでいるが、合成技術やコスト面の制約から化学品への利用は進んでいなかった。

今後バイオマスの活用を加速するには、燃料よりも付加価値の高い化学品への用途展開が有効と考えられており、界面活性剤は、国内だけでも年間100万t以上が生産され、台所洗剤やシャンプーなどの日用品から、機械、建築、土木など幅広い産業で汎用され高い需要を保っている。

また、界面活性剤は使用後に環境中に拡散される可能性もあるため、安全で環境負荷が少なく、より少量で機能を発揮する高機能な製品が求められることから、石油由来のものと比較しても低濃度で高い効果を発揮するバイオマス原料の製品開発が求められている。



外部リンク

産業技術総合研究所│ニュースリリース
http://www.aist.go.jp/aist_j/
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook