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2012-10-26 16:00

エコ

エネルギーロス40%低減・耐摩耗性25%向上の「超低燃費タイヤ用ゴム」開発に成功

車
エコは「よく転がる」タイヤから
株式会社ブリヂストンは、2012年10月22日、乗用車タイヤ用ゴム開発に関して、「三次元ナノ階層構造制御技術」の開発に成功したことを発表しています。

この技術は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)のナノテク・先端部材実用化研究開発の一環として、同社をはじめ、JSR株式会社や九州大学などが研究開発をすすめていたもので、乗用車タイヤ用ゴム材料の各原材料である、適化末端変性ポリマーによるブレンド形態の制御による耐摩耗性の向上と、充填(じゅうてん)剤などの配置によるエネルギーロス(ゴムが変形するときに生じるエネルギーの損失)を、ナノ(10億分の1)レベルで最適化することが実現したとのことです。

今回の技術開発により、同社の乗用車用低燃費タイヤ用ゴム対比エネルギーロスを44%低減し、加えて、耐摩耗性能を26%向上させることに成功したとのことです。

ちなみに、タイヤのゴムと地面との摩擦によって、車は「発進」したり、「停止」したり、「方向転換」などの動作が可能となりますが、“転がり抵抗”と呼ばれるこの摩擦が少なくなる、つまり、抵抗値が低くなれば、抵抗値の高いタイヤと比較した場合、同じガソリン量で、より“長く”走ることができる低燃費が実現し、ガソリンが燃焼したときに発生するCO2の量も、結果的に減らせるということになるわけです。

よく転がって、より地面を「つかむ」性能の向上へ
従来のタイヤ開発の現場では、“転がり抵抗”を低減させるために、充填(じゅうてん)剤の分散状態を制御することによって対処されるケースが主でしたが、“転がり抵抗”の低減を追求した場合、タイヤは摩擦力が低下してしまうといった、相反する特性が共存できる可能性を追求し得ない現状の対策は「限界」に近づいているそうです。

今後、同社では、今回の技術開発を通じて得られた研究成果(評価・解析・予測法)を、同社の材料技術「ナノプロ・テック」と融合させることで、現在市販されている低燃費タイヤの“転がり抵抗”をさらに20%低減させる「新しいタイヤ」の開発に取り組むことになります。

外部リンク

株式会社ブリヂストン プレスリリース
http://www.bridgestone.co.jp/news/
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