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2012-05-30 13:00

エコ

世界初!カーボンニュートラルな高速蒸気機関車をつくるプロジェクト – アメリカ

バイオ燃料
地球環境にやさしい蒸気機関車
2012年5月22日、Coalition for Sustainable Rail(以後CSR)によって、世界初のカーボンニュートラルな高速蒸気機関車をつくるプロジェクトが発表された。

CSRとは、地球環境問題についての研究を行うアメリカ・ミネソタ大学のInstitute on the Environmentと、鉄道機関車の発展のためバイオ燃料の研究・開発を行う非営利組織Sustainable Rail International(以後SRI)による合同グループである。

CSR Project 130
このプロジェクトは「CSR Project 130」と呼ばれている。プロジェクトのゴールは、世界で最もクリーンでパワフルな旅客機関車をつくること、そしてそれによって、固体のバイオ燃料と最新の蒸気機関車テクノロジーの実用可能性を証明してみせることである。

CSRは、蒸気機関車のスピードの世界記録(130マイル/時)に挑戦することで、その最新テクノロジーのテストを行う予定だ。

CSRがつくろうとしている機関車は、バイオコールによって駆動する。バイオコールとは、石炭にセルロース性のバイオマスを混合してつくるバイオ燃料だ。バイオコールは石炭と同程度のエネルギー密度を持つが、石炭とは違ってカーボンニュートラル、つまり、灰や煙、ガスの排出が非常に少ないのである。

事前調査によると、CSRのテスト機関車は、今日に存在するどのディーゼル電気機関車と比べても、メンテナンスや燃料のコストも低く、走行パフォーマンスも優れているとのこと。

バイオコールを効果的に燃焼させる能力を持ち、地球環境に悪影響を与えないだけでなく、このCSRの最新の蒸気機関車は非常に大きな馬力とスピードまで兼ね備えているのである。

今後の計画は?
2011年11月、SRIはカンザスにある鉄道博物館Great Overland Station Museumから、試験台として1937年製造の蒸気機関車を譲り受けた。そして今月、その蒸気機関車の外観の修復、安定化処理を完了させた。

次の計画は、今後12ヶ月間以内にその蒸気機関車をミネアポリスへ移送させることだ。移送が済んだら、いよいよCSRはその蒸気機関車に必要な最新のテクノロジーを組み込んでいくこととなる。


外部リンク

Coalition for Sustainable Rail
http://www.csrail.org/

University of Minnesota
http://www1.umn.edu/news/news-releases/2012/UR_CONTENT_389949.html


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