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2012-06-03 19:00

太陽光発電

発展途上国の妊婦を救いたい!医療用太陽光発電キットが普及中

LED
妊産婦死亡を減らすために
太陽光で充電が可能な医療用太陽光発電キット「Solar Suitcase」が、アフリカを中心とした発展途上国で普及し始めている。電力事情の悪い国々では、夜間は真っ暗な中で治療せざるを得ない時があるためだ。

これは、発展途上国の妊産婦死亡を減らすために活動している、アメリカの「We Care Solar」によって開発されたものである。

この持ち運び可能なケースの中には、ソーラーパネル、医療用LED照明、バッテリーや携帯電話用の充電器などが入っており、さらにコンセントの差込口までついている。

   (Image by We Care Solar)
開発の経緯
We Care Solarの創業者の1人であるLaura Stachel氏は、カリフォルニアに住む産科医である。彼女は2008年にナイジェリアの田舎の病院へ視察に行き、その実情に驚いた。

なんと、夜間にランタンの明かりのみで帝王切開手術が行われていた。しかもそのランタンも手術中に切れてしまい、その後は懐中電灯の光のみで進められたのである。

そこで彼女は、太陽光発電業界で働いている夫と共にWe Care Solarを立ち上げ、この「Solar Suitcase」を開発した。太陽光発電は、電力はなくとも昼間には強い日光を享受している、アフリカなどの田舎の村には打ってつけの方法であった。

もともとナイジェリアの産科病院のためだけに開発された「Solar Suitcase」であったが、徐々にその有用性が世界中に広まっていった。今では、18カ国、約200の病院にて利用されている。2010年に起きた、ハイチ地震の際にも活躍したとのことである。

発展途上国の強い味方
「Solar Suitcase」の使用方法はとても簡単で、耐久性もあり、メンテナンスもほとんど不要だ。そして、大気汚染につながることもなければ、偶然火事へと発展してしまう危険性もない。太陽光エネルギーのみで、治療の安全性を高めることができるのである。

この「Solar Suitcase」のおかげで、発展途上国において毎年約15,000人の妊婦が24時間体制の緊急治療を受けられるようになったとのことである。


外部リンク

We Care Solar
http://wecaresolar.org/

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