2014-04-14 16:00

太陽光発電

光電流3倍!京大、高効率太陽電池材料を開発

グラフェンナノリボン
幅1ナノメートル以下、グラフェンナノリボン
京都大学は、1ナノメートル以下の幅を持つ極細ナノ炭素細線、グラフェンナノリボンを飛躍的な高効率で合成する手法を開発したと発表した。

(画像はプレスリリースより)

開発者は坂口浩司 エネルギー理工学研究所教授、中江隆博 同助教らの研究グループ。グラフェンナノリボンは、炭素と水素から成る次世代半導体として期待されているが、これまでは合成が非常に困難とされていた。

安価な装置でできるGNR合成
従来のGNR合成法では、超高真空(10のマイナス10乗Torr)環境が必要なうえ、反応中間体であるラジカルを低密度でしか発生できない、幅を制御した細線を作るのが困難であるという問題があった。

今回開発した「ラジカル重合型-化学気相成長法」は、低真空(1Torr)環境を用いながら、従来法の10倍の高効率でさまざまな線幅を持つ極細GNRの合成に成功。2ゾーン独立加熱を用いることで、原料分子から非常に高密度にラジカル中間体を発生させて金属基板に吹きかけることで実現できた。

作成された極細のフィルムは、従来の有機太陽太陽電池に用いられる共役系高分子(ポリ3-ヘキシルチオフェン)の3倍の光電導性を示し、高効率太陽電池材料としての応用が期待されている。

カーボンナノチューブの発見以来、多くの研究者が開発に取り組んでいる炭素デバイスはその軽量性、強じん性が理想的であることに加え、地球上に豊富に存在することから、大量に合成できればさまざまな分野でキーデバイスとなりうる。

CO2問題では悪者とされる炭素。地球環境を救うためには、炭素を知り尽くし、使いこなすことが突破口となりそうだ。


外部リンク

京都大学 プレスリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook