2014-05-12 18:00
行政
産総研、有機薄膜太陽電池の変換効率を2.2倍に向上

理想的な構造を実現
産業技術総合研究所の宮寺 哲彦 研究員らは、結晶成長技術を使用して光エネルギーを効率よく変換できる理想的な構造の発電層を構築することに成功したことを発表した。(画像はプレスリリースより)
フレキシブルで安価な太陽電池実現へ
有機薄膜太陽電池では、電荷を運ぶ材料がランダムに混ざり合った「バルクヘテロジャンクション」と呼ばれる構造を採用しており、ランダムに混ざっているので結晶構造や混ざり方の制御が困難であり発電効率向上の妨げとなっていた。今回構築した発電層では、別の太陽電池で利用されている結晶成長手法を取り入れ、さらに独自の工夫としてビフェニルビチオフェンと呼ばれる材料をテンプレート(鋳型)層として「バルクヘテロジャンクション」構造を構築したことで、材料の混ざり方や結晶性の制御が可能となり理想的な構造を実現した。
その結果、効率のいい電荷生成・取り出しを実現し、光電変換効率が1.85%から4.15%と約2.2倍に向上することが実証された。
今後は、さまざまな有機半導体材料で今回の手法を採用することで有機薄膜太陽電池の高効率化が期待でき、フレキシブルで安価な太陽電池の実用化へ役立つ技術と考えられている。
外部リンク
産業技術総合研究所 プレスリリース
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/
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