2014-06-03 15:00
エコ
稲わらが石油代替の燃料に、大成建設が高効率バイオエタノール製造技術を開発

コスト低減とCO2削減に貢献
大成建設は5月30日、稲わらに含まれるセルロースとデンプンから同時にエタノールを製造することで、コスト低減およびCO2削減を可能とした新しい技術を開発したと発表した。同技術は、同社がサッポロビールと共同で平成20年7月から5か年にわたり実施した、農林水産省補助事業「ソフトセルロース利活用技術確立事業」の後、バイオエタノールが石油代替の燃料となり得るための自主研究を継続した結果に確立されたもの。
(画像はプレスリリースより)
石油代替の燃料に
同社は稲わら中に含まれるセルロースからエタノールを製造するための前処理として開発した「アルカリ処理」が、同じく稲わらに含まれるデンプンにも作用し、デンプンからエタノールを製造するための処理として有効に利用できることを発見した。この発見により開発されたのが、セルロースからエタノールを製造する工程に、デンプンからエタノールを製造する工程を組み合わせ、稲わらを原料としてセルロースとデンプンから同時にエタノールを製造する高効率な技術である。
同技術を用いて原料の稲わら単位重量当たりのエタノール製造効率を高めたことで、エタノール製造コストは70.7円/L、CO2排出量削減率も52%を実現し、バイオエタノールが石油代替の燃料となり得るための目標値である製造コスト100円/L以下、CO2排出量削減率50%以上という基準を満たす結果を得た。
これまでバイオエタノールはトウモロコシや砂糖キビなどを原料に製造されていたが、これらは食糧と競合してしまうことが課題であった。
今回の成果は、未利用バイオマスである稲わらをバイオエタノールの原料として利用することで、温暖化ガス排出量の削減のみならず、再生可能な国産エネルギーとして大いに貢献することが見込まれる。
外部リンク
大成建設 プレスリリース
http://www.taisei.co.jp/about_us/release
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