エネクトニュース

日立化成株式会社は同社の従来品に比べて放電電流を1.5倍高めた「LL1500-WS」を開発し、2014年9月3日より販売を開始した。これは再生可能エネルギー用の蓄電システム向け鉛蓄電池である。従来品のLL1500-Wでは単電池の最大放電電流が600Aであったのだが、今回のLL1500-WS開発では導電部の改良を行い端子本数を3倍に増やすことで、いままでの期待寿命17年を保持したまま最大放電電流を1.5倍の900Aにまで高めることに成功した。

くわえて製品は、再生可能エネルギーの出力変動緩和や、負荷平準化（ピークカット等）と非常時バックアップ併用などを行い、瞬間的に出力が変動する用途に対して少ない単電池数にて高い放電電流を得ることができるようになった。

日立化成グループでは、電力貯蔵用鉛蓄電池の技術をベースとして、2009年に期待寿命が17年という業界ではもっとも寿命が長い「LL1500-W」を開発しており、その製品は日本国内では風力発電書や事業所等に8件の納入実績をおさめた。

そもそも風力発電等の再生可能エネルギーで、出力変動緩和用途に使う場合、蓄電池は放電容量のほかに、瞬間的な大きな変動にも対応が求められる。

そのためより高い放電電流を実現させるためには電池の容量を大きくする必要があり、導入コストが高くなってしまっていた。

しかし今回のLL1500-WSの開発で、従来のように単電池数を増やして高い放電電流を得る方法に比べ、導入コストの低減ができるようになったほか、蓄電池設置スペース・質量も減らすことが可能になった。

外部リンク

日立化成株式会社　ニュースリリース
http://www.hitachi-chem.co.jp/