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2014-09-02 11:00

エコ

環境負荷を低くする 新しいリチウムイオン電池の処理方法が開発

リチウムイオン電池
リチウムイオン電池の新しい処理技術を発表
三菱マテリアル株式会社は、リチウムイオン電池(LiB)の電解液に含まれるフッ素化合物および有機溶剤について、安全かつ低環境負荷にて再資源化を可能とする新しい処理技術を開発したと発表した。(画像はプレスリリースより)

いままでLiBは400℃〜1200℃で高温分解させる方法が一般的だったが、この方法では電解液中のフッ素化合物の分解により、有害なフッ素水素物が大量発生してしまっていた。加えて最終的には排水汚泥として処理されてしまうため、環境負荷は非常に高いといえた。

電解質を気化させてフッ素化合物および有機溶剤として同時回収
そのため今回三菱マテリアルが開発した処理技術は、100℃〜200℃の低温で電解質を気化させ、フッ素化合物と有機溶剤を同時に回収するものである。

この電解液注のフッ素化合物は、加水分解などを経てフッ素カルシウム粉末として回収する。

なお、この技術で回収したフッ素カルシウムは、純度がかなり高いために半導体および液晶パネルなどの幅広い産業分野で使用されるフッ素化成品の材料として再利用が可能となる。

引火性有機溶剤のほうは、化学的には変化はしないため補助燃料としてボイラーなどで再利用をする。

2020年以降に大量廃棄が予測されるリチウムイオン電池
現在、LiBはパソコンや携帯電話向けに小型のものが主に使用されている。加えて今後普及が進むと見込まれるハイブリッド車や電気自動車用には大型のLiBが搭載されている。

車載用LiBは、現在使用中のものが大量廃棄される2020年以降に大量廃棄されるとみられているため、環境保護・資源有効活用のため従来のもの以上に低環境負荷で効率的なリサイクル技術が求められていた。

三菱グループではさまざまな排水や排ガス処理で発生したフッ化カルシウムのフッ素リサイクル事業に取り組んでいるが、この技術の幅広い応用を行うために、電解質やその他の難処理廃液についても今後、実証研究を進める予定だという。


外部リンク

三菱マテリアル プレスリリース
http://www.mmc.co.jp/corporate/ja/01/01/14-0827.html
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