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2016-06-29 16:00

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グローバルCCSインスティテュートCEO、産業界のCO2排出が気候変動論議で見過ごされている

CCS
世界の4分の1のCO2を産業界が排出
Global CCS Institute(グローバルCCSインスティテュート)のブラッド・ペイジ最高経営責任者(CEO)が2016年6月28日、毎年80億トン以上の二酸化炭素(CO2)の排出がエネルギー政策の狭義に集中しすぎた気候変動論議で見過ごされていると発言している。

同インスティテュートは、さまざまな産業分野における炭素の回収・貯蔵(CCS)技術の長期的利用に焦点を当てた2つの新たな公開情報レポートを発表した。

CCSは1972年に天然ガス処理で初めて適用し、そのプロジェクトは現在、年間2,000万トン以上のCO2回収能力を誇る9つの大規模CCSプロジェクトを運用するまでに成長している。

「産業用炭素の回収と貯蔵の紹介」(Introduction to Industrial Carbon Capture and Storage)と題したレポートは、天然ガス処理、肥料製造、水素製造を含む分野にわたる17プロジェクトの概略を紹介し、85億トンに上る世界のCO2排出量の4分の1をこれらの分野や鉄鋼、セメント生産、石油化学精製などの産業分野が発生させていると強調している。

CCSはCO2を大幅に削減できる唯一の技術
ブラッド・ペイジCEOは「産業界の脱炭素化を支援するためには強力な政治的なサポートが世界的に必要である」と述べた上で、次のように語っている。

気候変動と真剣に取り組むには世界経済のすべての可能な分野からの排出を緊急に、満遍なく削減する必要がある。

鉄鋼とセメントは、低炭素エネルギー技術で製造する工場を含め、経済の発展を推進する重要なインフラを構築するために不可欠な製品であり、低炭素エネルギー源は製造過程で排出する数十億トンものCO2にまだ対応できないため移行できず、世界経済を考慮せず切り替えることもできない。

CCSはこれらの分野が排出するCO2を大幅に削減できる唯一の技術であると考えている。

電気自動車は再生可能エネルギーで供給するグリッドで充電することができるが、電気自動車そのものは、金属、プラスチック、有機化合物、並びに工場、生産ライン、ツールなしでは製造できない。

CCSは毎年数百万トンの炭素排出を削減可能な実証済みの技術であり、天然ガス処理、水素製造、肥料生産などの様々な分野にも適用可能で応用範囲は広い。

第2のレポート「産業界のCCSハブとクラスターの理解」(Understanding Industrial CCS Hubs and Clusters)は、複数の小規模産業排出者がCCSを利用して排出量を減らすための共通インフラを構築することの経済的利益を検証している。


外部リンク

Global CCS Institute(グローバルCCSインスティテュート)
http://www.globalccsinstitute.com/

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