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2013-06-20 10:00

その他

世界初!神戸製鋼、海洋温度差発電設備に高伝熱チタン板を供給へ

世界初
表面水と深層水で、できる発電
株式会社神戸製鋼所は、2013年6月12日、同社が開発したプレート式熱交換器(PHE)向けの「高伝熱チタン板(HEET)」を、沖縄県久米島で行われている発電利用実証事業で使用される「海洋温度差発電」設備の熱交換器用として供給したことを発表しています。

「高伝熱チタン板」は、チタン薄板の表面に微細な突起を付与することで、熱伝達を向上させることができる製品です。「海洋温度差発電」の熱交換器に使用することにより、熱交換器の設計を変更することなく、沸騰熱伝達が20%以上向上することが確認されています。

世界初
今回のような「海洋温度差発電」設備への採用は、純チタン薄板において、世界初となります。

また、「海洋温度差発電」は、海洋深層水と表層水の温度差を利用して、アンモニアのような低沸点の媒体を気化させて、その蒸気でタービンを回転させて発電を行うしくみのことです。

実用化は「50キロワット」から始まる
ちなみに、今回の実証事業は、世界で初めて、「海洋温度差発電」による電力を、電力会社に供給するというもので、今後は、将来の「海洋温度差発電」の実用化に向けた、高伝熱チタン板による発電事業での経済的な効果や、沖縄県海域での洋上型システム設置に関する検討と評価が、実施されることになります。

沸騰熱伝達つまり熱伝達効率が向上することにより、伝熱プレート(チタン板)の枚数を減らすことが可能となり、同時に熱源として用いられる流体の量を減らすことで、流体の循環に必要なポンプ動力の低減による機器のスリム化、低コスト化などが期待されています。また、より小さな温度差でも発電が可能となることから、発電が可能な地域が増えると考えられます。

海の中での安定した発電を実現するには、海水に対しての耐食性と、より小さな温度差でエネルギーを効率的に引き出すしくみが必要となります。自然の流れを差し止めずに、恩恵だけを享受する、共生への知恵は、一歩一歩すすんでいるようです。

外部リンク

株式会社神戸製鋼所 プレスリリース
http://www.kobelco.co.jp/releases/
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