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2013-07-05 11:00

電気自動車

不安の解消は「数値」から - 厚労省、EV充電器がペースメーカーに与える影響を公表

充電器
実用化に対する不安解消への一助となるか
厚生労働省は、2013年6月26日に発表した「医薬品・医療機器等j安全性情報302号」のなかで、「電気自動車の充電器による植え込み型の心臓ペースメーカーなどへの影響に係る使用上の注意」について、改訂を実施し、患者および医療関係者などに対して、より広く注意喚起を行っています。

今回の改訂は、急速充電器メーカーによって設立されたチャデモ協議会や、一般社団法人日本不整脈デバイス工業会などが主体として行われた「充電器がペースメーカーに及ぼす影響」についての検証試験の結果によるものです。

試験は、人体内に誘起される電流などを再現できるよう見立てた水槽から充電器までの距離を、密着させた状態から一定間隔で遠ざけてゆき、影響が認められなくなる最小距離まで測定するというもので、それぞれの距離で30秒程度、充電器を保持し、影響が認められるか否かを確認したそうです。

その結果、高速道路のサービスエリアやガソリンスタンドに常設されている「急速充電器」では、53センチメートル以内で、また、自宅で使用することが想定されている「普通充電器」では、12.5センチメートル以内で、影響が認められました。

「危険」を認識することこそ「普及」につながる?
同省では、植え込み型ペースメーカーの使用患者において、「急速充電器」については、可能な限り近づかず取り扱いを避けること。また、「普通充電器」を取り扱う場合には、充電器や充電ケーブルに密着した姿勢を取らないことで、これら充電器の電磁波による影響を回避することが可能と考えられるとしています。

また、万一、「急速充電器」に不用意に近づいてしまった場合や、「普通充電器」に密着する姿勢を取ってしまった場合でも、速やかに「急速充電器」から離れること、体から「普通充電器」を離すことにより、影響を回避することが可能と考えられるとしています。

さらに、同省は、植え込み型ペースメーカーを取り扱う製造販売業者に対して、「使用上の注意」欄に、その旨の内容を記載して、電気自動車の充電器による影響について注意喚起するともに、既にこれらの機器を使用している患者に対しても、患者手帳への注意事項の追記や情報提供文書の配布等により注意喚起を図るよう指示しています。

「どういった危険があるのか」、「その危険をどうやって避ければよいのか」、今回の情報公開は、決して不安をあおるものではなく、安全の尺度を明らかにすることで、電気自動車利用の際の不安を、ほんの少しでも和らげようとするものです。ちなみに、携帯電話の場合は、第二世代と呼ばれる方式の機種では、22センチメートル以上離して使用するよう注意喚起がなされたことがあります。危険に対する認識を持つことこそが、安心への第一歩といえそうです。

外部リンク

厚生労働省 プレスリリース
http://www1.mhlw.go.jp/anzenseijyouhou/
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