2013-07-06 17:00
蓄電池
「埋め立て」無しのリサイクル - 使用済み蓄電システムの広域処理が実現へ

「製造者責任」の具現化?
エリーパワー株式会社は、2013年7月4日、同社が製造・販売する蓄電システム『パワーイレ』、『パワーイレ・プラス』の回収・処理システムを確立したことを発表しました。同社では、蓄電システムの製造事業者である“強み”を活かして、安全と環境に配慮しながらの解体・処理が可能となっており、解体・処理された蓄電システムと、電池セルから出た廃部材は、すべて、鉄や銅、アルミ、プラスチックなどに、再資源化されるため、新たに埋め立てなどの処理は、発生しないそうです。
また、同社は、廃棄物となる使用済みの蓄電システムの製造・加工・販売を行う製造事業者として、一般廃棄物と産業廃棄物の両方の「広域認定」を取得しました。
「広域認定制度」とは、広域的に廃棄物処理を行うことで、廃棄物の減量やその他適正な処理が確保されることを目的とした、環境省の特例制度ですそもそも、使用済みの蓄電システムを、廃棄処理するためには、地方公共団体ごとの許可が必要ですが、この制度の認定を受けることで、そういった許可が不要となります。
複数の地域をまたぐ広域処理の実現へ
製品の性状・構造を熟知している製造業者が処理を担うことで、高度な再生処理が期待できるような、「第三者」にはないメリットが得られる場合が、認定の条件であり、ただ単に、広域的に処理するというだけでは認定は受けられないようです。特に、今回のような蓄電システムの廃棄処理は、通常の家電製品に比べて、大容量のエネルギーを持っているのに加えて、有機溶剤も含んでいるために、解体には専門知識が必要であり、一般の処理施設では難しいとの指摘もあります。
大型蓄電池の世界にも、「もったいない」の精神は、じゅうぶんに通用します。携帯電話のレアアース同様、再資源化によって、そのサイクルが持続的なものになれば、いわゆる「ゴミ捨て場」の存在価値もなくなってくるのではないでしょうか。
外部リンク
エリーパワー株式会社 プレスリリース
http://eliiypower.co.jp/news/
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