2013-01-09 15:00

電気自動車

米運輸省、電気自動車に「音」を求める

米運輸省道路交通局
電気自動車の「事故」を防ぐ
米運輸省道路交通局は、2013年1月7日、電気自動車とハイブリッド車に、全ての歩行者が近付く車に気付くような、最低限度の「音」を備える基準つくりを提案したことを公表しています。

従来のガソリン自動車を起動する際のエンジンの音や、動き出す際の駆動音などに比べて、電気自動車は、そういった「音」を発生しません。特に、低速で走行する場合はなおさらです。「静かでいい」といった意見もありますが、歩行者や自転車などに乗っている人にとっては、「音」が聞こえることで、車が近付いていることを知らせてくれる“注意術”が無くなるともいえます。

より具体的に、より現実を見て
ちなみに、提案された基準では、時速約29キロメートル以下で走行する車が発する音が、街の騒音などの中でも、歩行者や自転車に乗る人に聞こえるレベルが求められています。時速30キロメートルを超えた場合には、タイヤが路面をこする際の音などで、強制的に「音」を発生する必要が無くなるためとのことです。

一方、日本国内をみると、国土交通省が2010年1月に公表した「ハイブリッド車等の静音性に関する対策について(報告)」では、「発音」が必要な場面は、“発進時から時速20キロメートルまでの走行時と後退時”とされており、音量については、“一般のエンジン車が時速20キロメートルで走行する際の音量を超えないレベル”とされています。

また、高級車と一般車の対策の違いや、発音装置の一時的な解除を可能にする点にも見られるように、米国に比べて、いささか具体性に欠けており、かつ、現実に即していない面が見受けられます。

CO2を出さないクリーンエネルギーによるクルマ社会では、「ひやり、はっと」事故を防ぐための方策も、これまでとは趣を異なるようです。状況の変化に応じたスタイルの変更は、欠かせないということなのでしょう。

外部リンク

米運輸省道路交通局 プレスリリース
http://www.nhtsa.gov/PressReleases/
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