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2013-01-14 12:00

太陽光発電

理研とダ・ビンチ、「太陽の位置を気にしない」熱電併給システムを考案

システム
太陽光の「熱」に着目
理化学研究所と株式会社ダ・ビンチは、2013年1月10日、朝日から夕陽まで、太陽光の光熱エネルギーを効率良く回収して、発電と給湯ができる「熱電併給システム」を考案したことを発表しました。

今回考案されたシステムは、効率良くエネルギーを蓄えるために、太陽光の熱エネルギー(光熱エネルギー)を、熱交換器を経由して温水で蓄熱し、その熱エネルギーを必要なときに取り出して、発電や給湯できるところが、大きな特徴となっています。

また、太陽光からのエネルギーを回収するためには、太陽がどの位置にあっても対応できるように、同心円状に溝を刻んだパネル型の“フレネルレンズ”を採用して、そのパネルを立方体状に組み合わせています。さらに、組み合わせた立方体の内部に、アルミ合金製の逆T字型「熱交換器」を置くことで、朝には東側側面、昼は上部面、夕方には西側側面といった具合に、それぞれのレンズが受けた太陽光を立方体内部で反射させながら、どの方向からの光熱エネルギーも逃さない構造になっています。

そうして「熱交換器」に集められた熱エネルギーは、交換機の下に設けた蓄熱タンク内で水を温め、温められた水が持つ熱エネルギーを、ダ・ビンチ社が開発した「ロータリー熱エンジン」に供給し、発電が行われることになります。

つまり、このシステムでは、これまでのような“太陽を追いかける”装置や、その装置を動かすモーター(駆動)を装備する必要がなくなり、システム全体の製作費用を大幅に抑えることが可能になるわけです。

ちなみに、「ロータリー熱エンジン」自体は、水温が40度でも回転エネルギーを発生できることから、「保温」にかかるコストも低く見積もることができるうえ、異なる装置で温められた水を発電用水に合流させたり、逆に発電後の温水を普段の生活シーンのなかで利用することもでき、幅広い活用法も期待できそうです。

一般家庭10件分「10キロワット」規模の実用化目指す
今後、両者は、地方自治体などと連携し、遊休地を利用した「中小規模」の分散電源として活用を図っていく計画で、2013年中に、出力1キロワットの試作機を、また、2014年には、10キロワット規模の実証システムの完成を目指しているとのことです。

小回りの効くシステムで、再生可能エネルギーを集め利用する。またひとつ、知恵が新しい可能性をひらく技術を生み出すことになりそうです。

外部リンク

理化学研究所 プレスリリース
http://www.riken.jp/press/
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