2013-01-14 12:00

電気自動車

横浜ゴム、EVコンセプトカー「AERO-Y」を開発

AERO-Y
「空気抵抗低減」「軽量化」がテーマの概念車登場
横浜ゴム株式会社は、2013年1月10日、EV(電気自動車)のコンセプトカー『AERO-Y(エアロ・ワイ)』を開発したことを公表しました。

「コンセプトカー」とは、自動車メーカーが展示会などのイベントで展示する車両のことです。メーカーが、今後のデザインや技術の方向性を表現するために作られるケースが多く、“全く市販を前提としない”ものと“市販を前提とした”ものに区別されます。ただし、市販の前提がないケースでも、そのデザインの要素が、その後の市販車両に反映されることもあるそうです。

今回のコンセプトカー開発では、「空気抵抗を低減すること」が大きなテーマとなり、空気力学(エアロダイナミクス)を活用したタイヤ設計やボディ設計、加えて、同社が航空部品やハマタイト(接着剤)の開発で培ってきた「技術」が結集されています。

あくまでも基本は「タイヤ」
具体的にみると、まず、同社独自のタイヤエアロダイナミクス技術により、外側のタイヤサイドにディンプルを、内側のタイヤサイドにフィン状突起を採用することで、車全体の「空気抵抗を低減」して、EVの燃費向上を高めたことに加え、コンパウンド配合技術「ナノブレンドゴム」や、省燃費と静粛度を高めた「パターンデザイン」を採用することで、EVに見合う省燃費性能と静粛性が実現されました。

次に、日本で初めて世界最大の航空機メーカーに認証された「CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)」用プリプレグを、『AERO-Y』専用にチューニングしてボディ全般に採用することで、EVのバッテリー消費量改善にも寄与することになります。ちなみに、「プリプレグ」とは、補強用の繊維に樹脂を混ぜ込んだシート状の材料のことです。

さらに、樹脂系素材やアルミが車体フレームに採用されることの多いEV用として、溶接に代わる接着剤として、自動車から建設分野にわたって実績を有するハマタイト技術が採用されています。

ボディデザイン協力には、レーシングカーデザイナーの由良拓也氏が代表を務めるムーンクラフト株式会社が担当した同車は、2013年1月11日から幕張メッセで開催されている「東京オートサロン2013 with NAPAC」で初披露されました。

省エネやクリーンエネルギーといった言葉からは、「節約」とか「縮小」のイメージを受ける人も少なくないでしょう。とはいえ、適切な材料や技術を活用することで、従来のスタイル以上の豊かさを表現することは、じゅうぶん可能といえます。“ドライバーの「走る喜び」を妨げない”作り手側の姿勢が心強い取り組みではないでしょうか。

外部リンク

横浜ゴム株式会社 プレスリリース
http://www.yrc-pressroom.jp/201311110/
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