2013-02-01 11:00
その他
産業技術総合研究所、カセットボンベを使った燃料電池システムを開発

携帯ボンベで燃料補給できる「電池」?
独立行政法人産業技術総合研究所(以下、産総研)は、2013年1月28日、持ち運びできる「ハンディ燃料電池システム」を開発したことを発表しました。「燃料電池」は、補充が可能なマイナス極にあたる物質(水素など)と、空気中のプラス極にあたる物質(酸素など)を、一定以上の温度で反応させることで、継続して「電力」をつくることができる発電装置のことです。
なかでも、今回のシステムに採用された「固体酸化物形燃料電池(SOFC)」は、マイナス極にあてる物質が水素だけでなく、メタンやブタンのような炭化水素でも酸素との化学反応で発電でき、その発電効率もほかの燃料電池に比べて高いことから、さまざまな“電源”としての実用化が待たれていたというものです。
より迅速に、より低温で
また、「SOFC」には、通常700度から1,000度でしか作動しないというデメリットがありましたが、産総研では、これまでに行ったプロジェクトにおいて、600度で作動する“マイクロチューブSOFC”を開発しての水素を用いた発電や、極小(ナノサイズ)の触媒を加えることで「450度+メタン」での発電を実証してきました。そういった技術の積み重ねに加えて、今回の開発では、LPG(液化石油ガス)の主要な成分であるブタンを採用することで、市販されている“カセットボンベ”を燃料としたシステムの試作に成功したわけで、この開発により、LPGバーナーのみの使用で、システムを起動させることが可能になり、災害・非常時用やアウトドア用、次世代自動車などの“移動体用電源”への適用の可能性が示されたことになります。

外部リンク
独立行政法人産業技術総合研究所 プレスリリース
http://www.aist.go.jp/press_release/
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