• TOP
  • >
  • 電気自動車
  • >
  • 日産自とヤマト運輸、「エンジンを使わない」トラックの実証運行を開始へ
2013-01-28 13:20

電気自動車

日産自とヤマト運輸、「エンジンを使わない」トラックの実証運行を開始へ

トラック
宅配車両の「待機」に着目
日産自動車株式会社(以下、日産)は、2013年1月24日、『アトラスF24リチウムイオンバッテリー式冷蔵・冷凍車』の実証運行を、2013年1月から1年間、ヤマト運輸株式会社(以下、ヤマト運輸)とともに実施することを発表しています。

今回の実証運行では、日産が、ヤマト運輸独自の集配ニーズに合わせた仕様の車両を、“モニター車”として、1台貸与し、ヤマト運輸は、神奈川県川崎市内での業務において、この車両による『クール宅急便』などの集配を実施して、その実用性を確認する予定となっています。

同車両は、エンジンをまったく使用しないで、リチウムイオンバッテリーシステムだけで、冷蔵冷凍荷室を継続的に稼働させるしくみを備えており、エンジンへの負荷がなくなることから、燃費の改善が期待される一方で、冷蔵冷凍機の出力がエンジンの回転数に左右されないことから、荷室の温度管理にかかるコストを低減できるといったメリットが考えられます。

また、ヤマト運輸が取り組んでいる、住宅街での宅配作業時に、荷物を手押し台車などを利用する方法は、車両の駐車回数や走行距離を減らすことで、交通事故の防止とCO2排出の削減につながる一方、駐車ごとの“待機”時間が長くなるというジレンマを抱えることにもなっています。今回の車両では、エンジンをストップした場合の冷蔵冷凍機能の維持が可能になる点や、待機時の騒音や排ガスの減少がCO2排出量の削減につながるうえ、燃料代の節約にも貢献できることから、そうしたジレンマの解消も期待できそうです。

トラックの「電化」着々
なお、日産では、同車両の標準モデルを、2013年初夏から、日本にて発売することを予定していますが、そのほかにも、小型商用バン『NV200バネット』をベースとした電気自動車『e‐NV200』が、2014年中の市場投入に向けて準備中であることに加えて、「日産リーフ」のバッテリーコンポーネントを活用した、100%電動トラック『e-NT400アトラス』や『アトラスF24給電車』といったモデルの市場投入も計画されているようです。

より高性能なバッテリーにより、路上から発する排ガスの量が削減されることになりそうですが、蓄電池同様、「重さ」への対応にも知恵をしぼる必要がでてくるのかもしれません。宅配を含めた物流事業は、郊外に集配センターを配置したハブ方式で、効率的な業務推進を図っていますが、今後、配送車両の性能を高めるか、技術に頼らない仕組みを構築するかは、それぞれの業務に必要な「エネルギー」の在り方がどの方向を向くかにかかっているようです。

外部リンク

日産自動車株式会社 プレスリリース
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook