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2013-02-06 11:00

電気自動車

兼松など、EVタクシー向け自動予約機能を関空で稼働実験

充電予約
待ち時間解消で「電気タクシー」の実用化へ
兼松株式会社(以下、兼松)と株式会社モーション(以下、モーション)は、2013年1月28日、「環境省 平成24年度地球温暖化対策技術開発・実証研究事業/EVタクシーの実用化促進と運用方法確立のための実証研究」における、EVタクシーからの急速充電器の自動予約機能の稼働実験の実施を発表しています。

実験は、大阪府、日本ユニシス株式会社(以下、日本ユニシス)の協力を得て、関西国際空港に設置された急速充電器を活用して行われます。なお、この急速充電器は、展望ホール駐車場内に設置されており、利用時間は、年中無休の午前8時から午後10時まで、充電料金は無料ですが、駐車料金については必要とのことです。

今回の稼働実験に用いられる「EVタクシー運行最適化システム(以下、EVOTシステム)」は、スマートフォンの次世代タクシー呼出アプリケーション『EVOT CALL』から実際に利用可能になっているサービスです。

その自動予約機能は、EVタクシーの電池残量をリアルタイムでチェックして、該当するタクシーが同空港の近くまで乗客を送迎した際に、電池残量が「一定量未満」になると算定された場合、自動的に到着時間を予測して、急速充電器の「利用予約を行う」というもので、充電のための「待ち時間」による営業時間の機会損失を最小限に抑えることを目的としています。

充電予約
なお、自動予約機能の稼働期間は、1月28日から2月28日までの1か月の予定で、対象となるタクシー車両以外では、自動予約機能の利用はできません。

充電予約システムの「運用実績」をどう生かすか
今回の取り組みは、兼松とモーションが、充電器の自動予約機能を含む「EVOTシステム」の開発・運用について、また、大阪府は、関西国際空港の急速充電器も接続している、充電予約・認証システム「おおさか充電インフラネットワーク」の運用について、さらに、日本ユニシスは、EV・プラグイン・ハイブリッド車(PHV)向け充電インフラシステムサービス「smart oasis(スマートオアシス)」の開発と全国へのサービス展開について、それぞれが持つ「電気自動車の運用システムに関する実績」があって初めて実現したものともいえそうです。

「急速充電器」とはいっても、従来のガソリン補給ほど、その作業手順とかかる時間が整理されてはいないようですが、自動車を扱う業界において「CO2削減」の御旗に逆らうことは難しいとみられ、今回の実験の対象となるタクシーやトラックなど、車両の空き時間を一秒でも無駄にできない業界でも、その「波」にのまれてしまうのかもしれません。とはいえ、そういった変化によって、業務に支障がきたす事態は、関係者にとっても避けたいところ。「地球に優しい」というイメージを向上させるフレーズだけでなく、実利も確保できなければ、電気自動車普及への道は険しいままなのかもしれません。

外部リンク

兼松株式会社 プレスリリース
http://www.kanematsu.co.jp/tabid/
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