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2013-03-05 15:00

その他

世界初!ハイブリッド車経由のレアアース再利用サイクルを確立へ

再利用
希少金属も「循環」できる?
本田技研工業株式会社は、2013年3月3日、ハイブリッド車に用いる「ニッケル水素バッテリー」から抽出した“レアアース”を再利用・循環させる仕組みを、世界で初めて確立したことを公表しました。

ちなみに、ハイブリッド車は、ガソリンと電気で動くしくみになっており、使用されている電池には、ニッケル水素電池とリチウムイオン電池の2種類があります。

ニッケル水素電池には、それまでの電池に含まれていた有害物質が含まれておらず、電池容量が大きいなどの特長があります。また、ニッケル水素電池の後に開発されたリチウムイオン電池は、さらに大きな電池容量があり、小型で軽量、充放電のサイクル寿命も長いなどの特長があります。

この2種類の電池を比較すると、リチウムイオン電池に軍配が上がりそうですが、ハイブリッドカーにおいては、コスト面などに懸念があることから、現在でもニッケル水素電池が使用されています。

同社は、これまでにも、使用済みニッケル水素バッテリーからレアアースを含んだ酸化物を抽出していますが、今回は、その酸化物をさらに溶融塩電解することにより、レアアース金属として抽出することに成功したそうです。

今回、抽出されたレアアースの純度は、通常取引されるレベルの99%以上を維持しており、回収率は80%以上を達成しています。このレアアースは、3月初旬から、ニッケル水素バッテリーに使用する負極材として、日本重化学工業株式会社から各電池メーカーに供給される予定です。

抽出元は「東日本大震災」で使えなくなった車両
なお、今回抽出したレアアースは、東日本大震災の影響で使用できなくなった販売前のハイブリッド車386台から抽出されたもので、今後、同社では、販売店での部品交換などで回収した使用済みのニッケル水素バッテリーについても、同じ仕組みで再利用を行う予定になっています。

実用化には、使用済みバッテリーもある程度の量を確保する必要はあるようですが、いまある資源の適切な活用例ではないでしょうか。今回抽出できた車両は、新車として保管されていたもので、使用による減りがありません。今後は使用済みも対象に含まれるということになれば、より丁寧な抽出技術が求められそうです。

外部リンク

本田技研工業株式会社 プレスリリース
http://www.honda.co.jp/news/
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