• TOP
  • >
  • 太陽光発電
  • >
  • 九工大学生が快挙 世界初!宇宙空間の太陽電池発電で350V達成! 
2012-07-16 10:00

太陽光発電

九工大学生が快挙 世界初!宇宙空間の太陽電池発電で350V達成! 

太陽電池
学生の製作した衛星が350Vの発電に成功
九州工業大学の学生が世界初の快挙を成し遂げた。同大学の衛星開発プロジェクトチーム製作の人工衛星「鳳龍弐号」が、宇宙空間における太陽電池アレイによる発電で350ボルトの発電に成功したという。

高電圧技術実証衛星「鳳龍弐号」は、去る5月18日にH2Aロケットによって打ち上げられた。発電実験は7月8日に行われ、その結果、
60分間に亘って実験機器は正常に動作し、その内30分の日照時間中に330から350ボルトの電圧で安定して発電していることが確認

されたという。同大学の発表によれば、これまでの記録は、宇宙ステーションにおける160ボルトの発電が最高値だった。

衛星は一辺約30cmの立方体、重さ6.7kgと超小型。それが世界記録を打ち立てた。ちなみに、宇宙空間で高電圧で発電すると、放電現象が起き、太陽電池パネルが故障してしまうという(JAXAインタビューによる)。

設計からすべて学生の手によるプロジェクト
九工大衛星開発プロジェクトは、
「九州工業大学の創立100周年を記念して人工衛星を作って打ち上げたい」

という、学生たちの壮大な夢から始まった。このプロジェクトにおいては、衛星の設計から打ち上げ後の運用まですべて、学生たちの手によって行なわれているという。

同プロジェクトは「鳳龍ウェブサイト」を開設して、その活動を詳しく紹介している。興味のある方はぜひご参照を(下部にリンク)。なお、衛星の愛称「鳳龍」は、同大学の校章にちなんで名付けられた(※)。

もうひとつの大切なミッション
JAXA産業連携センターは今回のプロジェクトのインタビュー記事を掲載している。それによれば、「鳳龍弐号」にはさらなるミッションがある。それは、衛星から撮影した画像の配信。地域の人から撮影希望場所を募り、そこを宇宙空間から撮影。その画像を地元の子どもたちに届ける計画だ。

その目的は、宇宙や衛星を身近に感じてもらうこと。宇宙からのデータが簡単に使えることを体験してもらい、
宇宙利用の敷居を低くしたい

と、プロジェクトチームは願っている。


※校章の「鳳龍」は校旗に描かれた図像。九工大ホームページには、「龍に似て龍に非ず、鳳に似て鳳に非ず、正に之を超越せる霊体なり」との説明がある。大正13年機械科卒業生中山武夫氏デザイン。

外部リンク

九州工業大学:高電圧技術実証衛星「鳳龍弐号」が世界初の300V発電に成功!
http://www.kyutech.ac.jp/info/id1296.html

九工大衛星開発プロジェクト
http://www.kyutech.ac.jp/information/satellite/

鳳龍ウェブサイト
http://kitsat.ele.kyutech.ac.jp/index.html

JAXA:世界初の高電圧実験衛星をつくる-プロジェクトの現場で訊いた
http://aerospacebiz.jaxa.jp/jp/ainori/interview/04/p1.html
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook