• TOP
  • >
  • その他
  • >
  • 泡の力で船の省エネ実現を - 三菱重工「MALS」で確認
2012-10-06 14:00

その他

泡の力で船の省エネ実現を - 三菱重工「MALS」で確認

省エネ
船の「省エネ」に朗報
三菱重工業株式会社は、2012年10月3日、同社が開発した「MALS(三菱空気潤滑システム)」が、フェリー船舶において、一定の省エネ効果が得られたことを発表した。

同システムが搭載されたのは、マルエーフェリー株式会社(以下、マルエーフェリー)所有の、総トン数8,072トンで、鹿児島・奄美・沖縄を航路とするフェリー「波之上」。また、「MALS」とは、送風機で船底から吹き出させた空気が、細かい気泡となって船底をカーペットのように覆うことで、航行時の船体の抵抗を減らすシステムのこと。

同社では、すでに運搬用の船舶で一定の省エネ効果を確認しているが、今回は、この技術の適用範囲を拡大するために、平らな船底部が少ない高速・「やせ型船」を対象としたシステムを開発して、「波之上」への搭載が実現したとのこと。

海上で行われた速力試験では、波高2.5メートルから3メートルの条件で、5%以上の燃費改善効果が確認された。ちなみに、「やせ型船」は、一般的には、フェリー(高速)やコンテナ船(中速)を指し、逆に、タンカーなどの船舶は「肥大船」といわれている。

省エネ
また、空気がクッションの役目を果たすことで、振動や騒音も低減しており、フェリーとしての顧客満足度を向上させるといった効果もみられるようだ。空気をクッション代わりにといえば、船体と水面との間に大気圧より高い圧力の空気層を保持して、このしくみにより船体の重量を支え、水面近くを浮上させてすすむ「エアクッション船」と呼ばれるものもあるが、今回のシステムは、既存の船舶の“水面下”部分に着目しており、より現実的な選択ともいえよう。

「空気」の活用は新エネルギーへのカギとなるか
ベッドに空気を挟むことで寝心地を良くする商品も見られるようになった。こういった商品は、いわゆる「緩衝機能」や「負荷分散機能」を目的としている。太陽光や水力だけでなく、「空気」も有用なエネルギーのひとつであるわけで、送風機を含む「動力」を自給できるとすれば、船舶のためのエネルギーサイクルも方向性を見い出すことができるのかもしれない。

外部リンク

三菱重工業株式会社 プレスリリース
http://www.mhi.co.jp/news/
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook