2013-09-08 20:00
エコ
深海から噴き出す熱水で燃料電池型発電に成功

電力の安定供給に
独立行政法人海洋研究開発機構海底資源研究プロジェクトの山本正浩研究員と、理化学研究所・環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーらの共同グループは、沖縄トラフに人工的に作られた深海底熱水噴出孔において熱水と周辺海水の電気化学的な現場測定を行っていた。共同グループは9月3日、この測定の結果、熱水と海水を燃料にできる燃料電池を人工熱水噴出孔に設置して、深海底での実発電に成功したと発表した。
この発電方法は、燃料となる熱水と海水が無尽蔵に供給されることから、電力の長期にわたる安定供給に適しており、装置は極めてシンプルな仕組み発電でき、腐食に強く長期にわたった使用が可能であると考えられている。
今回の研究結果は、「ドイツ化学会誌インターナショナル版(Angewandte Chemie International Edition)」オンライン版に掲載され、現在特許を出願中。
電子の受け取りやすさに注目
共同グループは、熱水と海水の電気化学的な現場測定の結果から、熱水と海水の間にある電子の受け取りやすさの違いに注目し、電力を取り出すことができないかと試験を行うことにした。海底から噴き出す熱水には硫化水素のように電子を放出しやすい物質が多く含まれており、一方で周辺の海水には酸素のように電子を受け取りやすい物質が多く含まれている。
そこで、熱水噴出孔とその周辺海水にそれぞれ電極を設置することで、燃料電池を構築し、発電を行った。
今後は、長期的な試験を重ね、電力の供給が現実的に可能になるかを確認していくということだ。
外部リンク
理化学研究所│プレスリリース
http://www.jamstec.go.jp
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