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2015-09-27 13:00

太陽光発電

塗布して作る太陽電池、エネルギー変換効率と耐久性が同時に向上

新材料開発
熱による劣化を抑制
理化学研究所と科学技術振興機構(JST)は9月24日、半導体ポリマーを塗布して作る有機薄膜太陽電池(OPV)のエネルギー変換効率と耐久性を同時に向上させることに成功したと発表した。

OPVは軽量で柔軟という特長を持ち、基板に塗布することで作製できることから、低コスト、低環境負荷なプロセスで大面積化が可能である。

次世代の太陽電池として注目されるOPVはエネルギー変換効率とともに耐久性の向上が重要な課題となっている。

光や酸素、水分による劣化は、紫外線をカットすることや、素子を封止することで大部分抑制することができるが、太陽光があたることによる素子の温度上昇は防ぐことができないため熱による劣化を抑制する素子の開発が期待されてきた。

実用レベルに近い耐久性に
理化学研究所・創発物性科学研究センターの創発分子機能研究グループはOPVの変換効率だけでなく、耐久性(耐熱性)も向上させる新しい半導体ポリマー「PTzNTz素子」を開発し、2014年に同研究チームが開発した半導体ポリマー「PTzBT素子」と比較してエネルギー変換効率が7%から9%まで向上した。

さらに、両素子を85度に加熱し500時間保存したところ、「PTzBT素子」はエネルギー変換効率は初期値の半分以下まで低下したのに対し、「PTzNTz素子」はエネルギー変換効率がほとんど変化せず、耐久性が実用レベルに近づいた。

(画像はプレスリリースより)


外部リンク

科学技術振興機構 プレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr/announce/20150924-2/
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