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2010-04-07 23:00

その他

水問題の今を知る「地球の水が危ない」、ナショナル ジオグラフィック日本版4月号

水問題
水も空気もタダではない
水資源争奪戦が始まっているというニュースを目にしたのが数年前。気づかなかっただけなのか、「水」をめぐるニュースがこれほどクローズアップされたことも記憶にない。
日本だけを見ているとわかりにくい「水」問題、ナショナル・ジオグラフィック日本版は、4月号(3月30日発売)まるごと一冊「水」の特集を組んだ。

日本では「少子高齢化」が問題視されて久しいが、世界の人口は年8300万人のペースで増え続けているという。そして使われる水の量、地球から汲み上げられる水量は、供給をはるかに上回る。しかも「淡水」の7割は「雪」「氷」。同4月号は、こんな風に不吉な鐘の音を鳴らす。

このまま人口が増加の一途を辿った時、どんな未来が待ち受けるのか。

そして掴みだされるのは、またも「水資源の偏在」だ。
世界人口の約半分が水道のない環境に暮らし、途上国では水を求めて女性が往復6キロを歩き、水不足が深刻な地域に住む人々の数は15年後には18億人になるという。
氷河の崩壊、淡水生物の絶滅・・・
更に同号ではヒマラヤの氷河の溶解によって脅かされる人々の生活、水をめぐる紛争等をレポート。エチオピア、ケニアにおける支援を絡めた取材も掲載されている模様だ。更にヨルダン川をめぐるイスラエルと周辺国の紛争を例に、水質汚染、旱魃といった問題に立ち向かう人々の活動が紛争回避のモデルケースとして紹介されているという。

「水問題」の身近な事例として、今日はメコン川流域(主に下流)に広がりつつある深刻な旱魃被害のニュースが流された。
原因は上流にある中国に作られた複数のダムだとの指摘がなされ、関係各国による調査要請が出されたようだが、同国はこれを否定している。中国国内においても、少雨による旱魃被害によって同流域では2500万人の人々が飲み水にも困っている状態だという。

日本は関係ない・・・世界がこれだけ近い存在となった今、そんな戯言はいつまでも通用しない。水は世界の問題だ。
国境を越えるのは「マネー」だけではないのだ。

                  (編集部 環境草紙)

外部リンク

日経ナショナル・ジオグラフィック日本版
http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/magazine/index.shtml
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