• TOP
  • >
  • 太陽光発電
  • >
  • 中部電力、太陽光発電の大量導入に伴う電圧変動抑制試験を開始へ
2012-12-15 12:00

太陽光発電

中部電力、太陽光発電の大量導入に伴う電圧変動抑制試験を開始へ

システム
従来の「電気系統」に「新発電」を受け入れるために
中部電力株式会社は、三菱電機株式会社と共同で、太陽光発電設備の導入時の電圧変動の抑制に向けた試作システムを設置し、2012年12月11日から、フィールド試験を開始したことを発表しています。

今回試作されたシステムは、パワーコンディショナとリチウムイオン電池を組み合わせたもので、『メガソーラーいいだ(出力:1,000キロワット、2011年1月運転開始)』や、家庭用太陽光発電設備が連系している「下瀬変電所(配電用変電所、長野県飯田市下瀬)」構内に設置されました。

システム
フィールド試験の期間は、2012年12月11日から2015年11月までの期間で、「試作システムの有効性」の確認や、「技術的知見」の蓄積、「リチウムイオン電池の劣化性能(寿命)」の評価などが行われます。

今回の取り組みの背景には、太陽光発電が、天候によって発電脳力が大きく変動する性格のものであるという現状にあります。これまで、一般家庭で使われる電気は、大規模施設である「発電所」で作られてきました。電気は発電所で作られた後、変電所や変圧器を経由して、それぞれの家庭で使われるようになります。この電気の流れは、いわゆる川上から川下へ単一方向であり、電気系統として、安定した電気を届けることを実現してきました。

「売電」による「逆潮流」にも妙案を
しかし、今後、太陽光発電などの再生可能エネルギー利用が実用化の道をたどるようになれば、発電所に集中していた電気系統に、日本各地で発電された電力が流れ込むことになります。欧米諸国が「売電」を見越して双方向型の連携を組みやすい電気系統を構成しているのに比べて、日本では“一方通行”に限った構成のため、そういった「系統に流れ込む」電力を問題なく受け入れることができるかという点には、いくつか解決すべき障害が存在するともいわれています。

このような既存の電気系統が柔軟さを欠いている現状から脱却するには、これまでのシステムに新しい技術を当てはめていくよりも、「地産地消」モデルなどに切り替えていく必要もありそうですが、当面は、今回のような実地試験を繰り返しながら、ソフトランディングで解決を図る策が最善といえるのでしょう。

今後、同社では、同システムを用いて、変電所の電流や電圧の変動を監視し、検出した“変動”に対して、蓄電池から電力の充放電を行うことによって、電圧の変動を制御する方法の確立に取り組む予定となっているそうです。

外部リンク

中部電力株式会社 プレスリリース
http://www.chuden.co.jp/press/
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • facebook