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2013-01-20 09:00

太陽光発電

パナソニック太陽電池は「出力低下」に耐えられる!独研究機構で実証

電池モジュール
「品質」で勝負!
パナソニック エナジー社は、2013年1月15日、同社製HIT太陽電池モジュールが、独フラウンホーファー研究機構シリコン太陽光発電研究センターの試験において、「PID耐性」を有することを実証したことを発表しました。

「PID現象」とは、メガソーラーなどの高電圧の太陽光発電システムにおいて、太陽電池モジュールの発電量が低下する現象のことです。“高温多湿”の地域で起こりやすいといわれています。特に、太陽電池モジュールの発電量が低下するということは、ひいては、その影響がモジュールだけでなく、システム全体にひろがり、その総量まで低下させる恐れもあるといえそうです。

同社は、去る2012年9月に、HIT太陽電池について、国内の専門機関と株式会社ケミトックスにおける検証試験を行っており、「PID耐性」が立証されています。ちなみに、このときの条件は、摂氏60度、相対湿度85%、電圧1,000ボルト、試験時間96時間というものでした。

「PID耐性」についての試験は、「IEC(国際電気標準会議)」の基準では、温度60度、湿度85%、96時間となっているようですが、今回の試験では、10台のHIT太陽電池モジュールを用いて、摂氏50度、相対湿度50%、正と負の電圧1,000ボルトの条件のもと、48時間実施されました。その結果、全てのモジュールにおいて、出力の低下が見られなかったということです。

世界基準は「対応力」
今回の結果により、国内外2機関の“条件が異なる”試験で、「PID耐性」を実証できたことになります。

ちなみに、摂氏50度といえば、赤道直下やアフリカのような地球上で暑いといわれる地域でも、年に数回あるかといった高温です。また、空気が水分を保持できる限度(飽和水蒸気量)を100%とした場合の相対湿度50%は、温度が高くなるほど水分の量が多くなることから、日本の梅雨よりも不快指数が高くなりそうで、人にとっても機器類にとっても「過酷な環境」といえるでしょう。

既存技術の品質をより高めていく術は、日本企業の得意技のひとつといえるでしょう。地球に降り注ぐ太陽光に耐えながらエネルギーを捉える力を、世界基準に出遅れてはいないようです。

外部リンク

パナソニック株式会社 プレスリリース
http://panasonic.co.jp/corp/news/
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