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2013-05-10 11:00

その他

「排ガス+排熱」で「発電」を可能に

発電
「産学協同」の成果は「燃料電池車」
科学技術振興機構(JST)は、2013年5月7日、「熱電シナジー排ガス発電システム」の開発に成功したことを公表しました。

今回の取り組みは、大学や公的研究機関などの研究成果で、特に開発リスクの高いものについて企業に開発費を支出して開発を委託し、実用化を図る「産学協同実用化開発」の位置づけで、排ガスの中に含まれる未燃焼成分の水素などから、新しく開発した固体酸化物形燃料電池で電気を取り出し、さらに排ガスや電池の発熱を利用して熱電変換素子から電気を取り出すというものです。

また、開発の際のオートバイのエンジン排気口に設置した実証実験では、400ccのエンジンが出す排ガスエネルギーの2.5%を回収することが確認できました。これは、オートバイなどに搭載され、ライトなどの電気をまかなっている400ワットクラスの発電ユニットの性能に相当する値とのことです。

発電
エンジン以外での「発電」に一石を投じるか
今回開発された技術のように、エンジン以外の手段で、使用する電力をまかなうことが可能になれば、消費する燃料を減少させることができると期待されています。

今後、同機構では、商品仕様の検討や量産化、低コスト化など実用化へのステップを踏んで、2015年をめどに商品化を目指す予定です。

排ガスを活用するのがよいのか、そもそも排ガス自体を出さないようにする策を検討するのがよいのかと考えれば、現時点では、前者の取り組みが選択されるということなのでしょう。工場などからの排熱を利用するアイデアは、これまでにも見られましたが、今回の取り組みでは、ケータイ端末のレアアース回収と同様、含まれているが捨てられていた要素を活用するというものです。ただ、若干異なるのは、排ガスの量が一定程度必要となる点で、“減らしたいものが欠かせない”というジレンマも併せ持つことになりそうです。

外部リンク

科学技術振興機構(JST) プレスリリース
http://www.jst.go.jp/pr/info/
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