2015-09-29 17:00
太陽光発電
人工光合成に期待高まる。太陽光から水素を生成するタンデム型太陽光発電

太陽光発電と発電効率
世界全体でソーラー発電への期待は高まっており、日本でも太陽光発電の普及は進行している。しかしながらエネルギーを供給する際に、低い発電効率のため大きくエネルギーが損なわれている。発電効率を高めるための研究は多方面で進行しているが今回、太陽光から水を電気分解するタンデム型太陽光電池という新技術が発表された。エネルギー変換効率は14%をクリアし、新技術の活用に期待が高まっている。
タンデム型太陽光発電とは?
今回研究を実施したのは、イルメナウ工科大学、ドイツ研究センターヘルムホルツ協会のHelmholtz-Zentrum Berlinと、カリフォルニア工科大学フラウンホーファーISE、による混成チームだ。タンデム型太陽光発電では、光電気化学水分解により直接的に水素生成を行う。光電気化学を利用することで、効率的に水の電気分解を行うことができるのがタンデム型太陽光発電だ。
論文著者であるHZBの物理学者マティアス・メイ氏は下記のようにコメントしている。
「われわれは、電気的・化学的にアルミニウムーインジウムーリン層と水素発生用の触媒層を効率的に結合することに成功した。これはサブナノメートルスケールで表面の組成をコントロールすることができたためだ」
人工光合成としての可能性
人工光合成を実用化するためには、太陽光から水素を生成する段階で変換効率が15%以上求められている。人工光合成は現段階では、太陽エネルギーの変換効率が2%と言われているが、今回のタンデム型太陽光発電の技術開発により、人工光合成の利用実現化の可能性が見えてきた。
(画像はプレスリリースより)
外部リンク
Nature Communicationsのニュースリリースより
http://www.nature.com
関連する記事
-
2019-09-23 22:00
-
2019-09-10 23:00
-
2019-09-08 12:00
-
2019-09-06 03:00
-
2019-08-09 10:00