2012-11-22 15:00
電気自動車
“脱レアアース”目指して、まずは「使用量削減」から

電気自動車を動かす「磁石」の改善に
日産自動車株式会社は、2012年11月20日、「ネオジム磁石」に「粒界拡散技術」を採用した電気自動車(EV)用モーターを、「日産リーフ」に搭載することを発表しました。これまで、「ネオジム磁石」全体に“ジスプロシウム”が均一に分布されるよう添加されていましたが、今回、「粒界拡散技術」を採用したことで、従来と同等の耐熱性を確保しながら“ジスプロシウム”の使用量を40%削減することができたとのことです。
ちなみに、「粒界拡散技術」とは、磁石の結晶粒界(結晶の境目)に“ジスプロシウム”を分布させることで耐熱性を高める技術のことです。

そのため、他社メーカーでは、東芝が、“ジスプロシウム”を使用しない「サマリウム・コバルト磁石」を開発して、2012年度末の市場投入を目指していたり、信越化学工業が、2013年に“ジスプロシウム”を使用しない「ネオジム磁石」を量産化する計画もあり、電気自動車用モーターの“脱レアアース化”の動きが活発になっているようです。
資源を使わないクルマを目指して
今回の取り組みは、同社の中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2016」の重点目標としている“希少資源の使用量削減”を推進する一環であり、今後、同社では、鋳鉄部品や排出ガス触媒に使用されるセリウム、ランタンなどの使用量の削減や適正化を進め、新車への採用を順次進めていくことになっています。化石燃料の枯渇化も叫ばれる中、希少とされる資源をどう扱うかといった問題は、もの作りの世界では、緊急の課題ともいえるでしょう。今回のケースのような「全く使わないか、使用量を減らすか」といった視点で見れば、現時点では、“ソフトランディング”対策が、ひとまず優先されたということでしょうか。
外部リンク
日産自動車株式会社 プレスリリース
http://www.nissan-global.com/NEWS/
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