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2011-08-27 12:00

その他

汚染水・土壌の浄化に期待/セシウム吸着材を開発

産業技術総合研究所
産業技術総合研究所、プルシアンブルーを利用して多様な形態のセシウム吸着材を共同開発
東北地方太平洋沖地震に伴い発生した福島第一原子力発電所の事故。事故発生後、放射性セシウムがさまざまな場所において検出されている。放出された放射性物質は、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137など。ヨウ素131は半減期が8日と短いため、長期的に問題となるのはセシウム134(半減期約2年)と、セシウム137(半減期約30年)の二種類と考えられている。有効な対策とされているのは、放射性セシウムを生活環境中から除去し、管理された区域に封じ込めるなどの方法であり、この際に、放射性セシウムを選択的に取り込める吸着材が重要となる。

また、放射性セシウムは環境中の多様な場所に飛散しており、その対象によって除染の方法が異なる。そのため、放射性セシウムの回収には、多様な形態で使用できるセシウム吸着材が必要である。

こういった状況の中で、独立行政法人 産業技術総合研究所は、大日精化工業株式会社、関東化学株式会社と共同で、プルシアンブルーを利用して、さまざまな用途に使用できる各種セシウム吸着材を開発した。原発事故後の水・土壌など環境中の放射性セシウムの除去に期待が高まる。


用途に応じて多様な形態のセシウム吸着材が使用可能
今回、産業技術総合研究所が独自に開発したセシウム吸着剤は、安価な顔料であるプルシアンブルーのナノ粒子と市販品のプルシアンブルーを適切に使い分け、布状、液状、ビーズ状など、用途に合わせて使うことができる。

今回の開発成果の一部は、8月24日に行われる独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構の「福島県飯舘村現地水田ほ場における農地土壌等における放射性物質除去技術開発のための一連の試験」で使用された。

原発事故の収束が不透明で、放射性物質への不安が高まる現在、今後の更なる研究開発・利用拡大へ期待したい。

外部リンク

独立行政法人 産業技術総合研究所 プレスリリース
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2011/pr20110824/pr20110824.html
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